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平成23年度海外奨励金登山隊

Giri-Giri Boys Mt,Api Expedition 2012 報告

2012_1_api.JPG  初めに、我々のような金銭的に苦しい遠征隊に海外登山助成金を援助していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。また、ネパールではいろいろな面でご協力をしていただいたコスモトレックの関係者の方々、社長の大津二三子様にはこの場をお借りして感謝の意を表したいです。また、アピという貴重な山の情報をご提供していただいた大西氏、岩崎氏には有力なご指導、ありがとうございます。

 では実際の遠征の報告をしたいと思います。今回、我々が目指した山は、西ネパールの秀峰アピという7,132mの魅力ある南面の未踏ラインを目指しました。期間は2カ月と長く、いろんな要素が期待できる遠征となったのです。過去の遠征隊の記録からすると、現代の登山隊はキャラバンも簡単になったかもしれませんが、ライトエクスペディションしか経験してない我々には、登れたか、登れないかではなく遠征という大きな括りでは大きな財産となったのです。毎年一度は海外遠征に赴いていますが、毎度得るものは違い、現場の体験はかけがえのないものであると痛感し、今後の遠征につながるキャラバンであったと思います。

 アピ南面は96年にスロベニアの強力なクライマーが登っていて、我々はそのラインの右にある壁を計画していました。登山を始めてから高所の壁に挑もうと思い続け、早8年ほどで未熟なりにもいくつかのラインが引け、今回のアピに照準を定めたのです。BCに着いてみるとしっぺ返し食らうわけですが、写真からの憶測でたてたラインは不可能で変更を余儀なくされました。簡単にいかないモノが高所であり、辛いところでもあるが、限られた期間と環境でどうにか糸口を解いていくのも高所登山の面白さなんだなあ~と思いもするのです。いろんなすったもんだの末に、順化も終わり、新たなラインも決まりアタックとなりました。実際は南面と西面のコンタクトライン、我々は南稜と名付けた長大な尾根に挑みました。南稜は取り付きが4,200m~西峰7,076m~主峰7,132mと標高差約3,000mもあるビックルート。今回のルートは見た目からも想像できる困難さが尋常ではなかったので、アルパインスタイルで挑みはするがイメージでは黒部横断のような長期戦になるだろうと踏み、1週間分の食料を用意しました。ルートの構造は、前半1,000mほど岩の要素が強い岩稜帯で、偵察で目測していた平坦な尾根までは9Pで初日を終了。その後は悪天と異常な気温の高さによる雪質の悪化で思うように進まず。日に300mしか高度を稼げずに4日目、5,400mの危険で、困難な箇所を突破できずに敗退となってしまった。1度目は見るからにプロテクションの取れないトラバース箇所、スラブの上に乗った雪を渡り、逆層の岩を越えたがその先にさらなる困難な岩場があり、なおかつ敗退が効かないラインだったので断念しました。2度目のラインは岩稜上の正面にあるワイドクラックでした。これに対応できるカムもなく、10mは垂直のオフィズスをノープロテクションで登らなければならなく、断念しました。我々の力が現時点では及ばずに悔しい下降となってしまいましたが、登れない事で発見できる新たなこともあり、次に繋がるクライミングだったと今は思っています。今回の結果を真摯に受け取り、いつか機が熟す頃にはまたアピに新たなラインを生みたいと考えています。
(記 長門敬明)

<メンバー >

  • 増本亮(クライミングファイト)
  • 鳴海玄希(クライミングファイト)
  • 長門敬明(クライミングファイト、秀峰登高会)
  • ガイド兼コック ハスタ
  • キッチンボーイ チョンベ

<期 間>

  • 2012年4月2日~5月25日

<キャラバン、登山日程>

  • 4/2~6  カトマンズ、ブリーフィング、準備
  • 4/7~13   キャラバン、Gokuleshwar~Biale~ Makarkot~Khayekot~Api南面BC3,800m
  • 4/14~26  偵察、順化活動
  • 4/27~5/5  悪天待機、レスト、アタック準備
  • 5/6~11   アタック
  • 5/12~13  BC
  • 5/14~20    バックキャラバン、BC~Khayekot~ Makarkot~Gokuleshwar~Dhangadhi~KTM
  • 5/21~25  カトマンズ滞在、帰国